院長コラムCOLUMN
中国河南省での漢方研修記②
2025.08.13
〜2日目〜
洛陽正骨病院
この日は洛陽正骨病院を見学させて頂きました。土曜日で病院は休みなのですが職員さんが私達のために出勤して下さり院内の案内をして下さいました。
洛陽正骨病院は中国伝統医学ベースの整形外科病院ですが、元々は230年以上前の清時代に確立された「平楽郭氏正骨」に基づいて発展したという長い歴史を持ちます。病床数3100床の巨大病院です。実際の病棟や外来を見学させて頂いた後、研修団の何名かに鍼・按摩を実際に施術してくださいました。右膝の疼痛に対する鍼治療では左肘周囲に鍼を打たれていました。これは父が対角線療法と呼んでいたアプローチと共通していて、人体の一つの球体のように捉え、疼痛部と反対側にアプローチする治療で、本場でもこの療法に出会えてとても良かったです。病院を出たところに「中西医結合研究中心」の文字がありました。西洋医学と中医学を統合して新たな医療を生み出そうという素晴らしい取り組みを、何十年も続けてこられていることに感動しました。
龍門石窟
この後龍門石窟という遺跡に向かいました。龍門石窟は493年の北魏時代に始まり唐代に最盛期を迎えた世界遺産で岩壁に10万体以上の仏像が掘られています。龍門と名付けられた場所をくぐり、歩いていると岩肌に穴が空いているのが見えてきました。歴史の中で破壊されたり盗まれたりして仏様がいない穴が多かったです。だんだんと仏様がたくさん見えてきました。ふと壁面に掘られた五重塔が目に入り、「あれっ?」という感覚になりました。「単に拝む対象の仏像を掘っただけではないってことか。仏のいる理想世界そのものをこの岩肌に再現しようとしたということか。」時代を超えて、当時の人たちの心の中に広がる美しい世界が岩肌を通して自分にも伝わってくるように感じました。そしてメインの大仏エリアに行きました。長い急な階段を登り、顔を見上げたら、圧倒的なスケール感で目の前に大仏様達が鎮座されていました。「途方もない人数の人たちが、何世代もかけて作り上げたってことか。中には命を落とした人もいたかもしれん。やばいな、ほんまにすごい。」中国の精神の真髄に触れたような感覚、心の深くで共鳴するような、そしてどこか懐かしいような感覚が広がりました。古代中国の文化は日本にも伝来して我々の歴史にも大きな影響を与えてきたためか、心の深い所で共鳴できる部分があるように感じました。
また、「薬方洞」という1381番目の窟は、唐代の漢方140種類以上が壁面に刻まれているとのことでした。その処方は現代でも中医学の臨床に用いられているものがあり、歴史を超えて受け継がれる中医学の奥深さに驚かされました。
龍門石窟は元々二つの山の間に川が流れており、この場所を龍門と呼んでいたようです。「京都でゆうたら嵐山に似てるなー」などと思いながら橋を渡っていたら、ふと鯉の絵が目に止まりました。
「あれっ、ここにも鯉がいる!」後で調べたところ、中国の故事で鯉は黄河の激流を遡って龍になるという言い伝えがあり、それがいわゆる登竜門の言葉の由来となっているようです。この鯉の絵もその話に因んでいるようでした。「出発前に明石で見た鯉は、この鯉なんかな。」などと思いながら、心地よい風の中帰路につきました。
中国河南省での漢方研修記③に続く
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