院長コラムCOLUMN

茶道療法について

2024.04.09

茶道療法について

当院では通院患者様を対象に“茶道療法”をご提供しています。

茶道療法といっても、継続的にお茶のお稽古に通うというわけではありません。

相談室にお花と掛け軸を置き、お茶の先生が点てて下さるお茶を飲んで頂く というだけのものです。

茶道というと、“怒られる”“厳しい”“堅苦しい”といったマイナスイメージを持たれる方が多いと思いますが、当院で提供している茶道療法は、患者様は普通の服装で手ぶらで来て頂き、先生が丁寧に説明して下さる作法に則ってお茶を召し上がっていただくだけです。

先生は英語も堪能なとても優しい先生です。

なぜ茶道療法を行なっているかというと、私自身が茶道を通して心を立て直した経験があったからです。

私は急性期病院で働いていた時、そして大学院で研究をしていた時、どこか仕事を戦いのように捉えていたところがあり、強い緊張感の中で仕事をしていたように思います。もっと自分を高めなければならない、もっと頑張らなければならないといった、今思うと少し頑なすぎるような考え方をしていたように思います。

そして大学院での研究生活は挫折の連続でもありました。指導をして下さった先生方に助けられてようやく研究を論文にまとめて卒業できたのです。

これらの経験の中で、成長できた面があった一方で、自分の心に溜まっていた負担がコップから水がこぼれるように溢れてしまい、何をしていても心が落ち着かない、楽しくないという状態になっていました。

その後は仕事をしながら、自分の心の状態にも気を配るようにして、仕事のペースを調節するようにしていました。職場にも無理をお願いして、週1日は何もしない時間を持つようにしたりもしました。しかし、仕事量を減らしても、何もしない時間を持っても心のどこかが“ソワソワする”感覚が残ることに気づきました。

実はこの“心のソワソワ”が、無意識に自分を追い込み、「もっと頑張らなければならない」といった考え方の源になっているのではないかと思いました。

そんな時ふとしたきっかけで茶道のことを知り、ある茶道教室の門を叩くことになったのです。茶道のお作法の説明を聞きながら和室で正座をしてお茶を頂きました。茶室に入るときに、空間を神聖なものとして一礼したり、お茶を頂く時に隣の人に“お先に”をしたり、一つ一つのことがとても丁寧で気持ちよく感じられました。また、お茶を立てている時にふと聞こえる鳥の声や川のせせらぎが心をとても落ち着かせてくれました。掛け軸の文言が伝えるメッセージや茶花のかわいさなど、小さな感動がたくさんあった空間でした。

この時の心の状態が“ソワソワ”した感覚とは対極的な静寂なものであるように感じました。簡単に言えば“ホッとする”ということなのですが、もっとスーッとした、心が広がるような感覚です。

ここで得られた心の状態を日常でも維持することができればいいなと思い今もお稽古を続けております。そして実際に心のソワソワは無くなりました。

茶道はとても繊細で優しい感性で作られているように感じますが、実は戦国時代の極期に千利休によって生み出されました。もっとも荒んだ時代にあって心の平穏を求めた結果生み出されたのが茶道だったのではないかと思います。また、日本人は縄文時代から竪穴式住居に暮らし、家の中心には火があって皆で火を囲んで暮らしていました。茶道でも炉を囲んで皆で一つの空間を共有するというところがあり、この古来からのあり方を引き継いでいるのではないかと思います。

クリニックに来られる患者様で、現代型の生活の中で心をすり減らしてこられたことが病気の根本にあるのではないかと感じることがあります。そのような患者様に、心の静寂の状態を体感して頂く場を作りたいと思っていたところ、茶道の先生が「クリニック内に簡単ではあるけれど茶道空間を設えて、そこでお茶を点てましょうか?」といって下さいました。

実際にお茶のお稽古に通うといういとではなくて、“心が落ち着いた状態”を一度体感していただくことで、ご自身でそこに辿り着くための目印になったらいいなと考えています。

月1回程度、不定期で主に土曜日の午後にクリニック内で開催しています。基本的に相談室に先生と、患者様お一人にお入り頂き、他の患者様との接触はありません(前の方が終わるまではクリニック待合にてお待ちいただきます)。

『お一人で御来院いただき、相談室で先生が点てて下さったお茶を召し上がって頂く』

これだけのシンプルな体験ですが、心身の不調を感じておられる方には何か感じていただけるものがあるかと思います。

詳しくは院長 田中紀實までお問い合わせください。

 

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